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【クラウドファンディング応援記事 その①】

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現在、支援をお願いしていますクラウドファンディングのため、
サヘル・ローズさんが応援の記事を執筆くださいました。
サヘルさんの思いの詰まった文章です。どうぞご一読ください。

クラウドファンディングはこちらから
 https://syncable.biz/campaign/709

【サヘル・ローズさんからの応援記事】
皆さま、こんにちは。イラン出身のサヘル・ローズです。

この度は、私のワガママといいますか、可能ならより多くの皆様とイラクで苦しんでいるある
イラン人一家、そしてガンという病気と闘い、懸命に生きる命の灯火を1人でも多く守っていきたい。
その思いから初めてクラウドファンディングをしました。

なんとお礼を申し上げたらいいのでしょうか。目標額を上回るご支援をいただいています。 もちろん、
上回った分も子どもたち、そして難民として苦しむガン患者の方々の治療にあてさせていただきます。
何卒最後までよろしくお願い致します。

改めて私の思いを書かせてくださいね。
私は、団体にも何にも入っていません。そして今まで一度も寄付などは募る事はした事がございません。
僅かでも毎回、母と自分で働いたお金と友人たちから預かった思いを一緒に重ねて支援というのもおこが
ましいのですが、子どもたちに教育を与えていく環境作りやカンボジアでお医者さんにかかれる環境作りに
僅かでもサポートをしています。

誤解しないでくださいね。私、すごいでしょう?とかそういう事を言っている訳ではありません。
ただ純粋に人の未来を守れるのも、人。地球上、どこにいても私たちは他人ではなく隣人なのです。
いつまで生きられるか分からない現代。やれる事をたくさんやりたい。

何よりも支える事の大切さを教えてくれたのは皆さんです。私とお母さんが日本で生きてこられたのは、
助けてくれた日本の方々がいたからです。支えてもらいました。助けられてばかりの日々です。ですので、
気持ちがわかるんです。苦しい状態、孤独、異国の地での寂しさ、生きる事のしんどさ、全部、私なりに
経験してきた人生だから。だからこそ、今度は私が支える番なのです。その思いを日本の皆さんと共有したかったのです。

イラン人の私がイラクへ行くのも大きな意味がありました。それはまたいつかお話を致します。
9月下旬、ヨルダンの難民キャンプなどをまわってから 10月3日からイラクへ。イラクに着いた翌日、
私はJIM-NETハウスへ。

明確な目的がありました。イランの代表的なお菓子をイラクの子どもたちに届けたい。
実は私が孤児院で生活をしていた時からボランティアの人々が子どもたちのために作ってくれていたお菓子、それがショーレザードです。お米、砂糖、サフラン、バター、バラ水で作ります。この『黄金のライスプディング』ショーレザードをJIM-NETの子どもたちに、ガンや病気と闘っている子どもたちへプレゼントしたくて日本から素材とサフランとバラ水を用意して行きました。 初めてのイラクの朝日は黄金色で私の心を照らしてくれました。

お昼前にJIM-NETハウスに到着。カラフルな建物で、見ていると笑顔が溢れる色彩でした。玄関に笑顔で出迎えてくれる職員の皆さん。数名の子どもたちと廊下ですれ違いました。

正直に書きますと、私の養母でもある世界一愛している母も2年前、私の誕生日の前日にガンが見つかりました。二ヶ所、立て続けに手術しなければならなく、病院の診察室で先生からガンであると言われた日、今も忘れません。誰よりも強い母が泣き崩れました。私も泣きたかった。でも我慢しなければ、私がしっかりしなければならない、と必死で母に大丈夫だよと。手術して治療して治していこうと。声はかけても、当時の母は耳を傾けてはくれず、「世界が終わった。サヘルとあと30年は一緒に生きるつもりだったのに出来なくなった」と声を震わせながら言うのです。

私とお母さんはずっと2人だけで生きてきました。家族が苦しい状態になると親戚や家族に頼っていける事が出来ると思いますが、私たちにはそういう家族は1人もいません。私が母を支えるしかなかった。手術後も傷がどんどん増えていく母の身体を見るたびに心が締め付けられます。ガンになって母の口癖が「私はもう長くない」に変わりました。

正直、辛いです。そんな風に思って欲しくないし、様々な本を読んでもあらゆる病気に勝つために欠かせないのは「生きる目標」だと感じました。私は1人でもいい、「生きる事が辛いと感じてしまう人に、もう一日生きてみたい」と感じて欲しい。大人でも子どもでも、です。

でも、実際JIM-NETハウスで出会った子どもたち、痛そうだった、辛そうだった。腫れ上がった体、点滴、注射のあと。それを愛おしく背中を支えながらも、子どもが見ていないところでは泣きそうな眼差しをしている家族。みんな、笑っていてもどこか痛みを感じる宝石のような瞳。私は強い気持ちで行ったのにも関わらず、直視できなかった。いろんな言葉を語りかける瞳は辛かった。私が泣いても何も始まらない。急いで二階のキッチンへ。言葉が通じない私たち。でも昼食を作っているお母さんがサポートしてくれました。

私が孤独を感じていた時に癒してくれた大切な味、 痛みで傷ついている子たちの心をも甘く幸せにしてくれる、 そう信じて作った黄金のライスプディング。でも大きな過ちをしてしまいました。 ガンを治療中の子どもたちの中には甘いもの、砂糖を摂取してはいけない子がいたのです。食べられず食堂を後にした子どもたち、本当にごめんなさい。笑顔にしたかったのに出来なかった。数名だけ食べられる子どもたちは笑顔で『美味しい』と言ってくれた。けど、思い描いた事は出来なかった。私には人生で一番ほろ苦く感じたライスプディング。後悔をしていた私。

実はライスプディングを冷やしてる間に、JIM-NETハウスの3階に3ヶ月前から来ている イラン人家族がいらっしゃると、言葉も分からず寂しそうだとお聞きしていたので、会いに行きました。3階に上がり部屋へ入ると、一家のお母さんとお父さんが優しい笑顔で出迎えてくれた。ベッドには白血病で苦しんでいらっしゃる私と同い年の長男、シャハワンが座っていました。そして25歳の次女とその次女の6歳の息子さん。5人で生活をしていました。

1時間近くずっと話しをしてくれた。イラクへ来た経緯、イラクでの孤立、長男への思い。時には「生きる事が苦痛」だとも。長男は長男で、「僕が亡くなった方が家族のためにいい」とまで、家族の限界を感じた。その家族にも食べてもらいたくって、冷えたライスプディングを部屋へ持っていきました。すると家族の表情がキラキラして。お父さんが食べた瞬間に「イラン!!!」といって泣いた。「久しぶりの祖国の味。ありがとう。娘よ、ありがとう」 この瞬間、今回、ライスプディングで笑顔にできた人はいた。孤独を感じ、生きる希望を失っているこの家族が一瞬でも『生きてて良かった』と思ってもらえた。いや、その感覚を、感情を取り戻してあげたい。生きていれば希望は生まれてくる。

そこから始まった、家族との交流。

日本の皆さんにも共に共感し合いたい。このライスプディング。食べにいらしてほしいです。 心を込めて作ります。そして11月24日にはこの家族の抱える問題、そして背景を話してまいります。クラウドファンディングも併せて、何卒よろしくお願い致します。

サヘル・ローズ

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