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天国へ旅立ったアンマール(11歳)

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現地より斉藤がお送りします。
昨日、アルビルに戻り今日の朝JIM-NETハウスに行くと、2年前から医薬品や交通費を支援してきたアンマールのお父さんが我々スタッフの部屋へとやってきました。
顔を合わせた瞬間、我々スタッフはアンマールに起こったことが瞬時に理解することができ、アンマールのお父さんとスタッフたちはしばらく言葉を交わせずに、しばらく沈黙の時を過ごしました。
天国に旅立ったアンマール3

国内避難民としてモスル県のグエールで暮らしていたアンマール一家。車の運転手だったお父さんも仕事を失い、厳しい生活を強いられている中、2014年、体調が優れない期間が続いたアンマールが白血病だと判明し、モスルのイブンアルアシール病院で治療が始まりました。

しかしIS(イスラム国)がモスルを支配し、その後イブンアルアシール病院で治療を受けることが出来なくなったアンマールは2017年アルビルのナナカリ病院へと転院してきました。

片道1時間半以上、時にはチェックポイントで3時間ほど待たされる時もありましたが、アンマールとお父さんは懸命に治療に励んでいました。
交通費が払えない時や、携帯電話のチャージがなくなってしまった時、アンマールに着替えが不足してしまった時など、JIM-NETではできる範囲のサポートを続けてきました。

先月、様態が悪化した際にはお父さんがJIM-NETハウスに泊まり、心も体も疲れていると相談に来た時のことは私もよく覚えており、時々スタッフに容態を知らせてもらっていました。
天国に旅立ったアンマール

アンマールが亡くなったのは1週間ほど前のとこ。
あまりのショックに、お父さんとお母さんは3日ほど何も食べれなかったといいます。

アンマールのお父さんは涙を浮かべながら、「アンマールが亡くなったことをきちんとJIM-NETのスタッフに知らせたかった。貧困にある私たち家族へのサポート、薬だけではなくて話をたくさん聞いてくれたことにどれだけ救われたか。先月はアンマールと2人での写真も撮ってくれて嬉しかったよ。あれ、欲しいんだけどもらえないかな。」と我々のスタッフの目をしっかりと見て話をしてくれました。

写真のデータを携帯に送り、二人が映っている写真を印刷して渡すと、少し表情が和いだお父さん。

「日本で支援してくれた人たちに心からお礼が言いたいのと同時に、アンマールのような子へのサポートをこれからも是非お願いできたらと思う。あと、うちには何もないけど、、、今後是非うちにお茶を飲みにきてくれ。」そう言葉を残しJIM-NETハウスを去ったアンマールのお父さん。後ろ姿は悲しみに暮れていました。背中が泣いてしました。
天国に旅立ったアンマール2

「アンマールが元気になって、もう病院に来なくて良くなった時に聞きたかった言葉だった。」スタッフたちは溢れる想いをぐっと堪え、アンマールをお父さんの背中を見送っていました。

最近は、亡くなった子どもたちのお知らせばかりでスタッフ一同、とても複雑な思いでいますが、今もなお支援を必要とする子どもたちとその家族へのサポートを全力で行っていきたいと思いますので、引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。

https://www.jim-net.org/donate/donation/
(イラク小児がん支援)

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