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イラク戦争15年、アルビルでJIM-NET会議

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3月16日と17日の2日間にわたり、イラク北部のアルビルで、第17回JIM-NET会議が開催されました。
年に一度、イラクと日本の医師が集り、医療成績の発表と今後の支援を検討するものです。通常は2月に行われますが、今年は諸般の事情で日程がずれ込みました。
日本からは、理事の井下医師と、信州大学に在籍中のイラク人医師、リカー・アルカザイルさん、そして佐藤事務局長が参加しました。

アルビルの飛行場の国際便が飛ばず、バクダッドで入国してから国内線に乗り換えるのでビザの調整で時間がかかってしまいました。

 

 

 

 

 

 

バグダット空港に米軍はいなくなりましたが、建物はおそらく1980年代のままではないでしょうか?昭和の時代にタイムスリップした感じがします。
町の中心部には、新しいモールとかができているそうです。

 イラクからは約20名のドクターが参加しました。小児がんの治療成績は、そこそこ良くはなってきていますが、伸びどまりという感じがします。
各病院とも薬の調達には苦労しているようで、JIM-NETへの期待も高まる一方ですが、
「イラク戦争から15年も経っており、一方でイスラム国などネガティブなイメージばかりイラクには残ってしまって、この間日本人はほとんど渡航していない。メディアまでも来なくなってしまった状況。加えて、昨年のクルド独立をめぐる国民投票後の混乱で、ビザすらもなかなか出してもらえないような中での支援を、今まで通りの規模で続けることは難しい」と説明せざるを得ませんでした。

 小児がんの支援に関しては、国がある程度きちんとコントロールし、サポートしていくことが重要ですが、2003年サダム政権を崩壊させた後の占領政策は、失敗を繰り返しています。いまだに行政が脆弱なままで、5月には国政選挙を控えています。
日本政府は、アメリカのイラク攻撃を強く支持しました。日本ができること、人道復興支援だと声高に宣言した責任は大きいと思います。日本政府の援助に期待するところ大です。特にイラクは石油がとれる国なので、収入をうまく使っていくことで、もっといい国にできたはずです。日本のかかわり方をきちんと検証しなければならないでしょう。しかし、その日本ですが今まさに、国会で議論されている財務省の公文書書き換え問題をみても、世界に恥をさらしています。
 一市民がしっかりと政府を監視するリテラシーを持つことの重要性を改めて感じました。

【チョコ募金で作る平和な社会】

今回、イラクの子ども達にチョコを配ろうと数百個持ってきました。
イラクの学校とかで
   ①まず、チョコを食べる
   ②がんのことを知る (パンフを読む)
   ③がんの患者を支える社会づくりに参加する
という3つのステップを考えていました。

イラクのドクターたちがチョコを1缶5000IDで募金してくれ、なんと合計1200ドルのチョコ寄付が集まりました!
残りのチョコで、イラクの子どもたちと一緒にがんの啓発活動を行う予定です。

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