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#イラクレポート32 バスラからの報告
イラン攻撃後の現地の声を届ける
#イラクレポート 31
今回のイラクレポートはバスラからの報告を元にお届けします。
報告してくれたのは、バスラ小児病院内にあるJIM-NET(ジムネット)のプレイルームで働いてくれているイマンさんです。
バスラは人口360万人の大都市で、すぐそばには世界有数のルメイラ油田があります。
それほどの産油国でありながら、長年にわたる戦争や制裁、設備の損傷などによって精製能力が追いつかず、ガソリンや軽油などの国内需要を輸入に頼らざるを得ない状況が続いてきました。
現在は精製能力の増強が進められているものの、近隣地域の不安定化も日々の暮らしに大きな影響を与えています。
JIM-NETは、バスラ小児病院のフサム医師と連携しながら支援を続けてきました。
イラクは物資の不足だけでなく、13年におよぶ経済制裁によって最新の医療情報からも遮断されてきました。
フサム医師は「世界から30年近く遅れてしまった」と語ります。
この情報格差を埋めるため、フサム医師は日本の広島の医師たちとオンラインで勉強会を行ったり、腫瘍専門医と合同で勉強会を開くなど、学びの機会を広げています。
(こちらの記事をご覧ください→https://www.jim-net.org/2026/07/31/12721/)
しかし現場の医療状況は依然として厳しく、今年9月にはバスラ小児病院に新たに18人の小児がん患者が受診に訪れました。その一方で、5人の子どもたちががんの合併症により命を落としています。背景には、医療インフラ全体の不足に加え、医薬品――とりわけ抗生物質の深刻な不足があります。
今回、JIM-NETはフサム医師からの要請を受け、抗生剤の緊急支援を行いました。
現在、抗生剤は世界的に不足しており、日本でさえ供給がギリギリの状況です。ましてやイラクでの入手は極めて困難を極めます。がん治療を受ける子どもたちにとって抗生剤はまさに「命綱」であり、JIM-NETとしても今後の情勢を注意深く見守っていく予定です。
そうした中、バスラで活動する数少ない国際医療支援団体の一つ、イタリアの「Terre des hommes(テール・デ・ゾム)」が、JIM-NETのプレイルームを使って子どもたちの誕生会を開いてくれました。
テール・デ・ゾムは医療支援だけでなく、主に子どもたちの心によりそう社会心理的支援を展開しています。今後もJIM-NETと良い形で協働を深めていければと考えています。
治療が続く厳しい日々の中でも、音楽を聴き、笑顔で誕生日を祝い合える時間があること。
医薬品を届けることと、そうしたかけがえのない時間を守ること。
そのどちらもが、子どもたちの生命と心を支えるために不可欠な支援なのだと実感しています。




