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アルビル便り

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クルドの独立を問う国民投票が、昨年9月25日に行われましたが、イラク中央政府は、投票は無効であり、憲法違反とし、クルド自治区の首都、アルビルへの国際線の乗り入れを禁止しました。当時現場にいた佐藤事務局長も急きょ9月28日の最後のヨルダン航空を利用してアンマンに逃れました。
現在空港は、イラク航空が飛ばす国内線のみ。
クルド自治政府と中央政府の交渉が続き、間もなく制裁措置も回解除されるのではないかとのニュースが流れています。
JIM-NETでは、佐藤事務局長が、約4カ月ぶりに、アルビルを訪問し、支援先のナナカリー病院との打ち合わせ、モスルへの薬の支援などを行い、無事に帰国しました。

ナナカリー病院のサーミ―委員長によると「中央政府からの薬は全く来ない状況です。モスルの患者は確かに戻りましたが、モスルからアルビルにすんでいる患者もいますし、バグダッドや、アンバールから避難した人はそのまま残っています。
職員の給与が払えない状況。飛行場が封鎖されたために、一部の医薬品は輸入できなくなってしまった。」とのこと。

一方モスルのワサン先生は、アルビルからモスルに通っています。
「クルド自治政府は、人道支援に関して便宜を図ってくれていて、政治的には、緊張していても、問題なくモスルとアルビルを行き来できます。でも中央政府からの薬の供給は、モスルにはほとんど届いていません。ISがいなくなったというのに」
ちょうど、一年前に薬を届けてあげたモスルの患者から連絡があり、ファクター8がないから届けてほしいとのことでした。
アブ・モハンナドさんは息子3人が血友病です。1アンプル70ドルもする薬を買わなくてはいけない。やはり支援せずにはおれず、急遽薬局で買い付けて、ワサン先生に届けてもらうことに。
ワサン先生は、「私の父はイラン・イラク戦争でけがをして働くことができなかった。10歳の時から働いて、学校にいったの。だから、あんまり怖いものもないし、たとえISの占領下であっても前向きにいられたわ」ワサン先生は早速翌日に薬を届けてくれました。

短い滞在でしたが、頑張ってくれているローカルスタッフや、病院の医師たちに元気をもらいました。

佐藤真紀

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