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がんの治療を終えたシリア人の女の子、ロヤの話
イラクにあるガウラゴスク難民キャンプで生まれたシリア人のロヤは、4歳のときに小児がんと診断され、2022年7月からエルビルのナナカリ病院で治療を受けていました。
<小さい頃のロヤ>
クルド語のクロマンジー方言話者だったロヤとお母さんにとってはクルド語ソーラーニ方言が全く分からず、お母さんはいつも病院で一人、ロヤを支え続けなければなりませんでした。
経済的な困難も重なり、家族にとって厳しい日々が続いたと言います。
そんな中で、JIM-NETの活動はロヤとお母さんの大きな支えとなりました。遊びや誕生日会といった企画は、闘病生活の中でも幸せを感じることができた瞬間で、ロヤは「いつも本当につらかったけど、楽しいイベントをしてくれたことを今でも覚えてるよ」と語ってくれました。
ロヤのお母さんにとって、JIM-NETの活動で特に印象的だったことは、病気の子を持つ母親同士で話す場を提供してもらったこと、また病院内に子どもが遊ぶプレイスペースがあったことだそうです。母親同士が体験を分かち合うことで心理的に励まされ希望を持つことができたこと、また、病院に遊び場があるのはとても素晴らしいことだったとお母さんは振り返ります。
ロヤも、治療の疲れやストレスから離れて、楽しい時間を過ごせたと可愛い笑顔で教えてくれました。
苦しい治療期間を終えたあと、すぐに学校に通い始め、現在は6年生を優秀な成績で修了しました。
英語とアラビア語が大好きで、学校生活では多くの友達と遊び、楽しい時間を過ごしています。
<6年生修了の報告に来てくれました>
「将来は小児科医になりたい。子どもたちを治して、痛みから助けたい」とロヤは話します。最近は兄弟やお母さんと一緒にテレビを見たり語り合ったりする時間が、何よりの楽しみだそうです。また、友達とサッカーをしたり、兄弟と遊んだりすることも元気の源になっています。
治療の間も、子どもやその家族が孤独で苦しまないように。
JIM-NETは、これからも病気で苦しむ子どもとその家族を支えていきます。