イベントアーカイブス

サヘル・ローズ ✖ トロプチン・ニキタ スペシャルダイアログ

開催日:2026.3.22

🌈Pray for Peace!🌈
イラク、シリア、そして世界の子どもたちとともに@文房堂ギャラリー

4日目は、サヘル・ローズさん(表現者)とトロプチン・ニキタくん(ウクライナ出身・茨城県留学生親善大使)をお迎えしたスペシャルダイアログを参加者の皆さまとともにご一緒しました。

ガザもウクライナも情勢は一向に先が見えないまま、新しい戦争や紛争が起きており、ガザやウクライナの報道はどんどん少なくなっています。JIM-NET が活動するイラクでは、2月28日にイスラエルと米国が開始したイラン攻撃の影響が続いています。
戦争や紛争で最も被害を被るのは子どもたちです。ある日突然、普通の日常が壊され、それぞれの暮らしが、人生が翻弄されてしまいます。
ダイアログでは、ロシア軍のウクライナ侵攻前から日本のアニメに興味を持ったことがきっかけで日本語や日本文化を独学で学んでいたニキタくんと、イランから来日され、「表現者」として活躍されながらさまざまな国へ出かけて現地の子どもたちとの交流を続けながら彼らの「声」を発信するサヘルさん。
今回は、おふたりの対話を通し、いま、私たちが置かれている状況を気付く濃密何時間となりました。

ダイアログの最後には、ニキタくんが選んだウクライナとペルシャの詩をニキタくんがウクライナ語と日本語で朗読、サヘルさんがペルシャ語と日本語で朗読してくださり、朗読が響くにつれ、会場は水を打ったような静けさに包まれました。
参加者の皆さまにお約束した2篇の詩をご紹介いたします。
         
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『人生は進み、書き直しはできない』
作者: コステンコ・リーナ
(コステンコ・リーナは、現代の作家でウクライナで一番敬われていると言っても過言ではないそうです)

Життя іде і все без коректур.
І час летить, не стишує галопу.
Давно нема маркізи Помпадур,
і ми живем уже після потопу.
Не знаю я, що буде після нас,
в які природа убереться шати.
Єдиний, хто не втомлюється, – час.
А ми живі, нам треба поспішати.
Зробити щось, лишити по собі,
а ми, нічого, – пройдемо, як тіні,
щоб тільки неба очі голубі
цю землю завжди бачили в цвітінні.
Щоб ці ліси не вимерли, як тур,
щоб ці слова не вичахли, як руди.
Життя іде і все без коректур,
і як напишеш, так уже і буде.
Але не бійся прикрого рядка.
Прозрінь не бійся, бо вони як ліки.
Не бійся правди, хоч яка гірка,
не бійся смутків, хоч вони як ріки.
Людині бійся душу ошукать,
бо в цьому схибиш – то уже навіки.

人生は進み、書き直しはできない。
時は駆けて、歩みを緩めることはない。
遠い昔の王たちはもういない、
そして私たちは、そのすべての後に生きている。
この先に何が来るのか、私は知らない。
自然がどんな姿をまとうのかも。
ただ一つ、疲れを知らないのは時。
だからこそ、生きている私たちは急がなければならない。
何かを成し、何かを残すために。
さもなければ、私たちは影のように過ぎ去るだろう。
せめて空の青いまなざしが、
この大地をいつも花咲く姿で見つめていられるために。
この森が絶えてしまわぬように、
かつて消えた獣みたいに。
この言葉が枯れてしまわぬように、
尽きた鉱脈山みたいに。
人生は進み、書き直しはできない。
どう書くかで、そのまま未来になる。
だが、痛みを伴う一言を恐れるな。
気づきを恐れるな、それは薬のようなものだ。
たとえ苦くとも、真実を恐れるな。
たとえ川のように押し寄せても、悲しみを恐れるな。
ただ一つ恐れるべきは、
人の魂をだますこと。
そこを誤れば、
それは永遠に取り返しがつかない。
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作者:ウマル・ハイヤーム
原文
فارسی: قومی متفکرند اندر ره دین
قومی به گمان فتاده در راه یقین
می‌ترسم از آن که بانگ آید روزی
کای بیخبران راه نه آنست و نه این

ある人は宗教のことを考えながら進み、
ある人は「いや、これが正しい道だ」と思い込んでいる。
でも私は思う、いつか声が聞こえるんじゃないかと、
「お前たち、どっちの道も違うよ」と。
   

~photo:MAYUMI~

◆プロフィール◆

サヘル・ローズ(表現者)
イランで生まれ、幼少時代を孤児院で過ごし、7歳で養子縁組。8歳で養母とともに日本へ。表現者として生き続けている。主演映画ではミラノ国際映画祭のみならず、様々な映画祭で最優秀女優賞を受賞。また、舞台でも高い評価を受けている。2023年には日本代表としてジョルジオアルマーニのアンバサダーに就任。近年では自身がメガホンを取った映画『花束』も公開されるなど、表現の幅を広げている。芸能活動以外では、長年、孤児やストリートチルドレンなど子どもたちへの支援を国内外問わず続けており、2020年にはアメリカで人権活動家賞を受賞した。
著書に『Dear 16とおりのへいわへのちかい』、『これから大人になるアナタに伝えたい10のこと』、『生きることから、すべては始まる』(3月発売)など。

トロプチン・ニキタ (茨城県留学生親善大使)
ウクライナ出身。語学が好きな大学生。14歳の時、友達より早く日本語を覚えたいという熱い思いがきっかけで日本語の勉強を始める。ロシアがウクライナ全面的侵攻を開始すると、日本に家族と避難。両国の友好関係に貢献したいという思いで、茨城県国際交流協会やJIM NET、個人の繋がりを通して日本の人々にウクライナの文化、戦いのことを発信し続ける。大学の4年目が始まろうとする今、将来は日本と世界を結ぶ仕事に就きたいと願っている。現在は中国語とハンガリー語を勉強中。

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