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難民キャンプの絵画コンテストで1位になったマヤ

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久しぶりに、マヤに会いに行ってきました。
現在15歳のマヤは、10歳の時にがんと診断され、JIM-NETが支援しているナナカリ病院で治療を受けていた子どもの一人です。
今は治療を終え、優しいお父さん、お母さん、兄弟たちとともに難民キャンプに住んでいます。

闘病していた頃の話を、JIM-NETスタッフのリームがインタビューしました。

当時、治療で一番つらかったのは髪を失ったことだそうです。
治療のため、病気と闘うためとはいえ外見の大きな変化はやはり気持ちが沈んだと当時を振り返って教えてくれました。つらい気持ちのとき、どうやって気分転換をしていたのと聞くと、JIM-NETが病院の待合室で開いているプレイルームは大きな力になっていたと教えてくれました。
マヤはJIM-NETのプレイルームを、「病気や治療のことを忘れられる静かな時間」だったと語ります。

すると、マヤの話を隣で聞いていたお母さんが、おもむろに「そういえば、マヤは難民キャンプの絵画コンテストで1位を取ったのよ!」と教えてくれました。え、そうなの!?どんな絵を描いたの?見たい!と私たちがお願いすると、恥ずかしそうにその絵を持ってきて、見せてくれました。大きな顔が全面に描かれた絵の上部には薬や注射器があります。病気の時、病院で考えていたことを絵にしたのだそうです。

すごいね、絵がうまいねと私たちが褒めていると、嬉しいことに、「絵はJIM-NETで教えてもらったんだよ、だから得意なの」と照れながらマヤが教えてくれました。
病気と闘う子ども達にとって、おもちゃで遊ぶこと、ケアをしてくれる大人と安心できる空間で時間を過ごすことは、それだけでも心に癒しをもたらすものです。
しかしそれだけでなく、JIM-NETでたくさん絵を描いたり図工作品を作ったりしたことで、マヤは自分を表現する方法の一つを得られたのだと感じました。

マヤは、治療を終えてからはすぐに学校に戻り、現在は7年生を修了しました。好きな科目は英語とアラビア語。今はコーラン(イスラム教の聖典)を全部暗記することに一生懸命取り組んでいます。

がんの経験を通して、人生の見方が大きく変わり、より前向きで強くなったと感じているマヤ。将来は医療分野、とくに検査の仕事を学びたいという夢を持ちながら、絵画のワークショップを開きたいという希望もあるそうです。

最後に、今まさにがんと闘っている子どもたちへのメッセージを聞くと――
「絶対にあきらめないで。強くあって、希望を失わなければ、どんな困難も乗り越えられる」
マヤさんの言葉は、同じ病気と闘う子どもたち、そして私たち大人にとっても、大きな励みになると感じました。


マヤの家で作られていた赤パプリカのペースト、「ムハンマラ」

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