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難民映画祭に登壇いたしました

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金曜日(10月20日)東京外語大学多摩キャンパスで開催された難民映画祭「シリアに生まれて」上映会+トークに佐藤が登壇させていただきました。映画は、7家族のシリア難民たちがパラダイスを求めて、ヨーロッパに移動するドキュメンタリー。

JIM-NETの2017チョコ募金のテーマは、まさにそれでした。

戦争という悲惨な状況から命からがら脱出した難民をヨーロッパは見捨てるのか?という文脈が読み取れるのですが、実はそういうレベルの話ではなく、一回彼らは、トルコやヨルダン、イラクの難民キャンプなど安全な場所に避難しています。そこには、治安はもとより、最低限のライフラインは確保されています。ヨルダンなど自国民の貧困や、パレスチナ難民のライフラインよりは、もしかしたら、シリア難民は上かもしれない。そんな彼らが、あえて、危険を冒してとりつかれたように、ヨーロッパを目指したこと。シリアが平和になったら帰れるという次元の話ではない。シリアがドバイや、ヨーロッパのように経済発展して初めて戻るかどうかという話なのかもしれません。なので、シリアにかかわっている我々としては、テーマをそこに見いだすのは難しいモヤモヤ感を感じました。

シリアの戦争を止めて、難民たちが帰れるようにしなくてはいけないと僕たちも国際社会に訴えてきました。一方、ヨーロッパのシリア難民は、本当に国を捨ててヨーロッパ人になろうとしているわけだから、それを受け入れる、受け入れないっていうのはヨーロッパの問題。この映画でも、ところどころでヨーロッパの各国のリーダーたちの難民政策がインサートされてきて、だんだん厳しくなり、難民たちも受け入れてもらえるのかどうか、厳しい状況に追い込まれていきます。

最後は、シリアがというよりもヨーロッパはどこに向かうのか?と投げかけていたように思えました。それくらいのスピードで世界は動いています。

質疑応答でも、日本のNGOは、和平の仲立ちをできるのかという質問がありましたが、外交的には難しく、難民等の援助に注力するというやり方は、間違ってなかったと思います。

積極的平和主義といって介入しても、シリアの問題は複雑すぎて、中途半端に戦争を助長することになりかねません。
一方武器商人がいるから内戦はとまらないのではないかという声も会場から頂きました。

日本も、武器輸出大国になろうと舵切をした今、武器商売のために戦争を長引かせないことをしっかりと日本政府に言っていくことが大事だと思います。
しかし、相手がテロリストのレッテルが張られると、それと戦う部隊は完全正義になってしまい、武器の輸出が正当化されるわけでして、そのあたりは難しい問題だと思いました。

NGOとアカデミアが、そういう難しい状況を分析してその都度政府に圧力をかけるようなシンクタンクが必要なのかなと思いました。

佐藤真紀

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